Wednesday, September 26, 2007

Kanye West - Graduation






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「Supernaturalはフリースタイルで何にでも変身することができる。だからフリースタイルバトルでは決して敵わないだろう。だけど1人のアーティストとして作品を作るときに彼は自分を表現する術を持たない。アーティストとしては俺のほうが圧倒的に勝っている」と喝破した50 Centも「作品のクオリティを重視する」という意味では、Kanyeと同じサイドのアーティストだ。詰まるところ50 Centの敗因は圧倒的な「人望」の差にあった。

50 Centが他人をこき下ろすことにより注目を集めてのし上がってきた一方、Kanyeはロッカフェラ帝国の力の利を生かし、持ち前のポジティブさとミーハー根性で人脈を築きあげていった。1st、2ndアルバムでもヒップホップ・フィールドから遠く外れるMiri Ben AriやJon Brionを登用する懐の広さ見せていたが、今作の持つ「パワー」はそれこそ彼の偏執的な「作品主義志向」と良い人材は大きな見返りを払ってでも迎い入れる「能力主義志向」が見事にマッチした結果の産物だ。

Young Jeezyのビートを大金で買い取ったり、Daft Punkをサンプリングするだけならまだしも、アルバムの「目玉」を担う"Good Life"はミキシング違いで16バージョン、"Stronger"は75バージョン作られたという「良曲」への執拗なこだわりよう。さらに今作ではシンセやドラムメイキングのためにTimbalandだけでなくToompやEric Hudsonを引っ張りこみ、客演ではT-PainやLil Wayneなど「メインストリームの旬」を押さえ、しかもジャケットに村上隆、PVにEd BangerのSo-Me、バックDJにA-Trakを配置するという「わかってらっしゃる」見事な人選。広告やライブパフォーマンスを含めて全てを「一流の作品」に仕立て上げるため、厳選された豊富な材料で細部の細部の1個のビートまでがこだわりぬかれた贅沢きわまりない一皿がこの"Graduation"なのである。

「一流の作品をつくる」ために、これほどのマンパワーを使える人は世の中に殆どいないだろうけども、「金」はあっても「人望」は皆無に等しい50 Centが今回「超えられない壁」を感じて引退を宣言する気持ちもわからなくはない。

1 comment:

Anonymous said...

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