Monday, November 12, 2007

Nitro Microphone Underground - Special Force






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このブログで良く知らないこと(政治とか宗教とか戦争とか)についてはとやかく書かないようにしているのだけど、「大連立」ってなんか麻雀の役みたいにキャッチーな単語だからその言葉だけで色々ごまかされていそうで憎くてしょうがない。民主主義の根本は国民一人ひとりの意思が政治に反映できるものだと思っていたけど、政局を進めるためだけにその大切な民意を勝手に統合してしまうこの妙案はまさしくテラ孔明。「天下三部の計」くらいの奇策だ。

そういえば最近読んだ村西とおる氏の美恵子さん亀田親子のコラムに感じ入るところがあった。両方とも「嫉妬の醜さ」がコラムのテーマで、まぁつまり花田の親父は器が小さいが故に嫉妬心で嫁の真意が汲み取れず、日本全国の親父は嫉妬心故に亀田の親父が許せなかったという話。確かに男のジェラシーより醜いものは無いと思った。

現在、日本語ラップにおいて男のジェラシーを一手に引き受けるラッパーと言えば、私の文章にしょっちゅう出てくるジブさんと、あとはKrevaに間違いない。しかし考えてみれば、ツラが良い、頭が良い、懐が深い、面倒見が良い、仲間から信頼を得ている等などの完全無欠のあらゆるモテ要素には私も嫉妬心を掻きたてられてしょうがないと告白しておく(「20代OLの一番好きな音楽No.1」ってどういうことだよ!>Kreva)。しかし、彼らみたいにリスナー獲得の為に貪欲と言えるほどクオリティコントロールに重きを置いているラッパーはなかなか他にいないのに、「なんだかPOPっぽいから」という理由で他のラッパーから強烈なジェラシーを向けられるってのも可哀想な話だ。「金を稼ぐ」だけの目的ならTha Blue Herbを見習うべきかもしれない。どんなにつまらないことを言っていても「POPじゃない」だけでとやかく言われないし。

いまや一つのヒップホップグループで、全員がきちんとキャラ立ちして、「ほぼ」全員がスキルフルなグループは他に無い、というだけでも貴重な存在のNitro Microphone Underground。各々のソロ作や他プロジェクトへ目を向けると、もはや一体なんで一つのグループとして収まっているか不思議なくらい明確に音楽性が異なっているように見えるのだけども、そんな位相のズレを無理やり強引に一つに圧縮して全員が窮屈そうにマイクを廻す"Straight from the Underground"は今聴いても大変面白いので、本作も楽しみに聴いてみたらあまりのつまらなさにゲロを吐きそうになった。作品を把握しようとどれだけ努めても、全く掴めきれないので、以下感想を羅列。

 ・20回以上聴いたにもかかわらず全くといっていいほど印象に残らない。覚えているのは、DaboとSuikenが警察に追われていたことくらい。
 ・そのせいでか、今まで「個性がある」と思っていたMC陣の見分けが一瞬つかなかったりした。Gore-Texかと思ったらDeliだったり、Suikenかと思ったらMacka-Chinだったり、「こんな奴ニトロにいたか?」と思ったらKashiだったり、Big-Zだったりした。
 ・Big-ZがワックMCを猛烈にDISっていてホッコリした。
 ・Daboのラップには貫禄がでてきたけども、Deliは若返っていた。そしてSuikenのラップには下っ端風情が滲み出てきた。
 ・なんていうか、全体的にひたすら地味。前作もタイトでダークな内容で、まだアレは「売れる日本語ラップ」で敢えてああいうことをやることにも意味があったと思うけど、今作はただ「POPじゃなく」するためにやっているようにしかみえない。
 ・契約上アルバム作らなきゃいけないんだろうけど、みんな別に言いたいことは何も無いんだろうなーと思った。なぜなら曲のテーマもリリックの中身も全員が全て似たり寄ったりで、その辺のムードがTBHの2ndや3rdにそっくりだから。
 ・今の風潮からしてリリックに凝りたいんだろうけど、「何か言わなきゃいけない」的ムードは彼らには合っていない。何も言いたいことないのなら立ち返って「言葉遊び」をすればいいのに。
 ・彼らが描写する「トーキョーシティ」って、私の知っている東京のイメージとだいぶ違う。「冷たい」というイメージと「硬質」なイメージは東京っぽいけども、どっか架空の都市なんじゃないかとすら思う。
 ・だからS-Wordが「カプセル・トーキョー」と言ったときにはハッとしたけども、良く聴いたら「闊歩する東京」の空耳だった。
 ・それにしても、これだけずっと聴き続けても、飽きるどころか未だに印象に残らないっていうのは、ある意味スゴイ作品なのかもしれない。

とにかく、アーティストそれぞれの主義主張がせめぎあっていた前作に比べて、この作品に個々の主義主張など全く無いことくらいは理解できた。感想をまとめると、ヒットチャートに上がっても男のジェラシーを向けられないようにただ「POPじゃない」ようにした保守作品、各々が何の主張も無く民主主義に則って「ただ作り上げた」だけのアルバムだということか。一見、薄味にまとまって、作品がコントロールされているように見えるかもしれないけども、それは違う。要するに誰もコントロールできなくなったから、皆揃って平均値を歩みはじめただけ。それならば"Special Force"などという横文字を使わずに「大連立」という作品タイトルにしたほうが力強いし、実態に合っている。

2 comments:

yamino2 said...

初めまして。私、THE SOURCE JAPANのWEBSITEを編集しているYAMINO2と申します。
そのTHE SOURCE JAPANのWEBSITEにて、微熱さんに是非、お願いしたいことがありましてご連絡させていただきました。
下記のアドレスまで一度ご連絡いただけると幸いです。
よろしくお願いします。

yamino2@hotmail.co.jp

Becca said...

Well written article.