Thursday, May 29, 2008

微熱メモ vol.7

本ブログのBRON-K "奇妙頂来相模富士"のレビューに対するアンサー(と思われる)レビューがとても良い内容だった。

このアルバムを単に「懐古趣味的なもの」としてではなく、「自分の"現在"を見つめなおすもの」として捉え直し、一つの曲("何ひとつうしなわず")の受け止め方次第で作品そのものの印象がガラリと変わってしまうことを指摘している。この「"過去"を見つめている」のではなく、「"自分の将来"を見据えようとしている」という見方は私が書いた文章よりも全然ポジティブなものなので、私自身もどちらかといえばこちらの見方のほうを支持したい。

しかし、「"将来"を見据えている」のではなく、「"将来"を見据えようとしている」というところがこの作品、ひいてはSDPの面々のアティテュードのポイントだろう。NORIKIYOにしても、TKCにしても、このBRON-Kにしても、「現在の環境」に翻弄されるだけされて結局は「将来への道筋」を見つけることをできていない。彼らのアティテュードがいかにポジティブなものであっても、これらの作品を聴くことはその作品に共感する人たちにとって「人生の苦しさ」を再確認するマゾ行為なのには相違無い。

2 comments:

猟奇 said...

はじめまして。
本記事でリンクしていただいたブログを書いている猟奇と申します。
まずは、レヴューに反応していただいたことにお礼申し上げます。ありがとうございました。
正直、今回の記事に対して反対意見だろうが何だろうが、誰からもリアクションが貰えなかったらブログやめようかな~位に思ってたので、とても嬉しいです。
ただ、まるで予想していなかった方からの反応だったのでかなり驚いていますが…(笑)。

今回のレヴューは、「批評」として読んだ場合には圧倒的に微熱さんの方が的確だと思ってます。
僕の記事は、「思い込み」プラス「こういうことだったら良いな」という「願望」が多分に含まれているし、意識的にプロパガンダっぽく書きましたので。って大袈裟ではありますが。

長くなってしまうのでここでは論じませんが、「奇妙頂来相模富士」に関しては、後に自分のとこで補足/追記のようなことを書いて終わりにしようと思っています。

長文失礼いたしました。
…あ、ちなみに僕は「月刊HAZAMA」時代から愛読させていただいてます(笑)。

微熱 said...

ブログで書かれていた『「全て手に入れたいと思うことはわがままかい?」というフレーズは、僕たちなりのジャーゴンなんだ。』という意見には妙に納得されられました。確かに「全てを手に入れるぜ」とも、「手に入れられない」とも思わない。少なくとも私は。


また同時に、ヒップホップとして「全てを手に入れるぜ」という姿勢ではなく、このくらいのスタンスで臨んでいるからこそこの作品は共感を生むのだろうな、と。「20代後半の冴えない野郎の等身大的な感覚」な内容だとは私もずっと思っていたことなので、やはり見方的には猟奇さんのレビューのほうがシックリくるのです。


最近、ヒップホップに関する面白い文章が全くと言っていいほどないので、猟奇さんの更新記事は期待して読ませてもらっています。(同じテーマの文章だと、NORIKIYO "EXIT"を絡めての日本語ラップの「大きな物語から小さな物語への移行」http://black.ap.teacup.com/bizarre/79.htmlの話も興味深く読ませていただきました。)


"奇妙頂来相模富士"の追記、楽しみにしています。