Sunday, April 08, 2007

余作2 Dr. Dre presents... The Aftermath

余作とは : 音楽好きな人ならば必ず一枚は持っている「音楽として良くも悪くも無いし、音楽史的にも全く重要でない」アルバムのことである。言葉の使い方としては「このアーティストのこの作品は"余作"だろ」という感じ。アーティストのキャリアには全く必要ない作品を指す。
「アンダーレイテッド」どころか、この先も別段と評価もされずに歴史に埋もれ、押入れの段ボール箱の片隅に眠り続けるであろう余分な作品、きっとそのアーティストも記憶と記録から抹消したがっている作品をフィーチャーしていく企画。「音楽として良くも悪くも無いし、音楽史的にも全く重要でない」けど、思い入れだけは少しある作品へレビューを贈り、その存在を認めていく。






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今でこそ最高の(サウンド・クリエーターとしてだけでなく本当の意味での)プロデューサーとしての名声を完全に確立したDr. Dreだが、Death Row離脱後に設立したThe Aftermath初のリリースとなるこの"Dr. Dre presents... The Aftermath"がリリースされた当時は、「Dre終わったか?」という声が囁かれたりもした。

Snoopを筆頭に多くの新人をスターに育て上げたDREだけに、The Aftermath発足に際しても同じ事をしようとしていて、Death Row組(RBX)や旧友(King T)のような知った顔もいるが、基本的に新人で占められている。まあ、失敗作と言われてるだけあって、新人の中には一人として際立った才能は見当たらず、アルバムのベスト楽曲が、NasやB-Real、KRS Oneを招いたポッセ・カット"East Coast/West Coast Killas"という時点でレーベルの顔見せコンピとしては大失敗といって良いだろう。結局、Dr. Dre、そしてThe Aftemathが浮上するにはEminemの登場を待たねばならないわけだが・・・・。

「Dre絡みのアルバム・ランキング」などというアンケートがあればこのアルバムは確実に最下位だろうし、Dre本人ですら素で忘れてそうなアルバムではあるが、それでも個人的には非常に好きで今でもたまに引っ張り出しては楽しんでいる。Dr. Dre監修のアルバムにしては珍しく「B級感」がそこはかとなく漂っている辺りも捨てがたいし、シングルすら切れずに消えていった名もないアーティスト達のその後を想像しながら聞くのも嫌いじゃない。Dr. Dreのメジャー感バリバリのゴージャスなトラック上で頑張る名も無い新人達。正に余作に相応しい光景だ。

[fuma75]

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