Friday, May 06, 2011

RAU DEF - ESCALATE



半年以上前の話になるけども、RAU DEFの『ESCALATE』を聴いたときの得体の知れない気持ち悪さはいまもよく覚えている。あの作品を聴いたときの感想は「何を表現したいのかサッパリわからない」というもので、軽妙なラップの聴き心地の良さとワードの聴き取り易さに反して、うたっている内容に意味を見出すことが出来ず、いったい彼は何を目標に何を表現したくてラップしているのかわからなかった。RAU DEFのラップは、手元に転がっているペンでそこらにある紙にテキトーに落書きをしているような印象で、それでもラップが落書きを描くために使われるくらい身近な道具になっているというところは興味深く受け取ることができたのだった。

しかしいま、2011年3月11日の東日本大震災を経て、この作品を聴くとまた違った側面に気づく。それは、RAU DEFのラップには明らかにフラストレーションが込められているのだけども、そのフラストレーションの矛先が定まっていないところで、怒りや焦燥や諦念がただボンヤリと混乱して露出している部分だ。

理解しようとしないコミュニティ、東京中心のシーン、格差社会をつくりだしたバビロン、価値観を縛りつけようとするモラル、あるいはポップチャートのJ-RAPにいたるまで、日本語ラップの仮想敵はその時代その環境にあわせて幾度も作り上げられて、ラッパーとリスナーのフラストレーションの捌け口になっていた。しかし、そういった仮想敵すらも見出すことができなくなってしまった状態が『ESCALATE』の持つ「得体の知れない気持ち悪さ」の大元なのかもしれない。RAU DEFのフラストレーションはスキルの無いワックラッパーだけに向けて発せられるが、私たちには顔の見えないワックラッパーだけが彼にとって一番目に見えている敵なのだ。

同じように、去年のS.L.A.C.KやQN(SimiLab)のアルバムが持つ日常感はその"敵のいない状態"の延長線にあるし、AKLOやKLOOZたちのようにヒップホップをゲーム(遊び)と捉え、時代のモード(流行)に乗っかって上昇することを目論むアーティストが受け入れられつつあるのも、"日本のヒップホップが敵を見失っている"ことの裏返しだろう。仮想敵となるものが見出せないからこそ何気ない日常をうたうことがリアルに響くし、競争相手となるラッパー以外の敵を作り出すことが出来ないからこそセルフボーストをテーマにラップゲームでスキルを競い合う。そうやって切り取っていくと、S.L.A.C.Kのように"敵のいない日常"にも、AKLOのように"(敵がいないが故の)ラップゲーム"にもフラストレーションをぶつけられずに混乱している居心地の悪さがこの『ESCALATE』にはある。

つまり、「敵を見出すことのできない状態にどうやって折り合いをつけているか?」という点こそが2010年の日本のヒップホップを整理するうえで見落としてはならない一番重要な切り口なのだ。………ただ、その"ルーズさ"が特徴だったS.L.A.C.Kが"But This is Way"でこれまでにないシリアスなラップを放ったように、その"敵のいないまったりとした日常"も2011年3月11日を境に大きく変わってしまったのだけども。

Saturday, February 05, 2011

G-Side - The ONE...COHESIVE


いままでほとんど眼中になかった地方のヒップホップをYouTubeやミックステープから手軽に視聴できるようになって耳にする機会も増えたお陰で、俄然その魅力に取り付かれてしまった。その興味の穴埋めで90年代後半から00年代前半のギャングスタラップを中古屋で掘り起こしているのだけども、地方の吹き溜まりのラップを聴くにつれて、「インターネットの発達に伴い、音楽には距離の概念が薄れて地域性が無くなりつつある」という考え方に疑問を持つようになってきた。

昔のマイナーギャングスタラップから聴き取れるのは「当時流行っていたスタイルや音楽性」に他ならず、とどのつまり、10年前だろうが、20年前だろうが、インターネットが無い時代に地方のヤンキーがつくっていたヒップホップに地域の持つ独特な空気を感じられることのほうが稀だった。彼らが作るヒップホップはそれぞれが忠実にNO LIMITや、Cash Moneyや、Timbalandや、Dr.Dreや、2Pacのパクリであって、その参照元の違いが"地域性"のように見えているだけだった。一部の才能あるアーティストが作るヒップホップの影響力を"地域性"の源と見なしてしまえば、「インターネットが音楽の持つ地域性を失わせつつある」という言葉をそのまま地方のヒップホップへ当てはめることに抵抗を覚えてしまう。

G-Sideが"The ONE...COHESIVE"のあらゆる曲の中で「俺達はインターネットから有名になった」と強調するように彼らのファンの大半は、インターネットという"地域"の中にいる。ハンツビルのような過疎地にファンを集めることの難しさを考えると、インターネットをひとつの地域と見做してしまって、そこで自らのファンを集める方法を模索するほうが簡単なのかもしれない。インターネットを、世界を繋ぐ架け橋として見るのではなく、ファンを獲得するための"ひとつの地域"として見てしまえば、そこで活動するアーティスト達の「地域性の無さ」にも合点がいくし、一部の才能あるアーティスト達がインターネット上に築きつつある独特なムードに注意がひきつけられる。

G-Sideの作品群、"Starships & Rocketz"(08年)、"Huntsville International"(09年)、"The ONE...COHESIVE"(11年)を並べてみると、Wiz Khalifa周りやクラウドラップともシンクロする90年代回帰的なローファイヒップホップの流れを聴き取ることができる。チョップされた上ネタを再構築してスペーシーな曲を作り上げていた"Starships~"と、上ネタは原曲をそのままにドラムだけを足したような楽曲が目立つ"The ONE~"を対比してみると、"Starships~"の方がよりヒップホップマナーに近いところにあるように聴こえるのが面白い。原曲そのままのメロディラインが強調された楽曲群は、ヒップホップの枠組みからも解放されたような"自由さ"を持って2010年以降のムードを形作っている。

言ってしまえば、Lil Bを筆頭にクラウドラップの面々がつくっている独特な"自由なムード"こそが、いまインターネット独自の"地域性"と呼べるものだろう。特に、今回レビューの対象にあげたG-Sideの"The ONE~"は、ヒップホップマナーから解き放たれ、箍が外れたような部分が強調される反面、それを理性で押さえつけた折り目正しいスタイルがアクとなってせめぎ合い、微妙なバランスで成立していて、そこが大きな魅力となって出てきている。インターネットで培った"自由なムード"のなかにも、どうしても生真面目さが抜けきれない感じというか。

また、地域性云々の話は置いておいたとしても、いままで雑誌やラジオやTVがリスナーに届けていたヒップホップと、インターネットがリスナーに届けるヒップホップの質は変わってきているとは思う。Odd FutureのTyler, the Creatorがありとあらゆるメディアに取り上げられたことや、Wiz Khalifaの"Black and Yellow"が全米ヒットチャートの1位になったことや、Lil WayneやGucci Mane、Nicki Minajiの成功を見ればわかるようにインターネットは彼らの"キャラクター"を前面に押し出し、そのイメージを波及させる。それこそ"音楽性"よりアーティストの持つ"キャラクター性"の方に注目が集まっているような印象をも与えるのは、旧来のメディアに接するときには自ら音楽の情報を得ようとする意識や姿勢があったのに対して、インターネットから垂れ流される情報を受け身で得る人が増えたせいかもしれない。何にせよ、パッと見てわかりやすいイメージや興味を惹くキャラクターは、「楽に他人に伝える」という目的のもとに利用されるインターネットメディアとの親和性が高いようだ。

つまり、インターネット上での評価は、まずアーティスト個々のキャラクター性ありきで行われる。ここ数年で大きくプロップスを上げてきた先のアーティストの面々を見ても、彼らのつくる曲のクオリティの良し悪しだけでなく、曲のなかで表現される"キャラクターの強さ"こそが鍵になっている。だから、Curren$yよりわかりやすいキャラクターイメージを持つWiz Khalifaのほうが評価されたし、The Packのなかでは言うまでもなくLil Bなのだ。

G-Sideを振り返ってみてみると、彼らのつくる楽曲自体の面白さやクオリティは他のアーティストと比較してもまったく引けをとらないし、アンビエントなローファイヒップホップのクリエイターとしては先駆者のアドバンテージもある。しかしそれでも、ムーブメントの顔にもなれず、いまいちブレイクし切れないのは彼らのキャラクターが決定的に弱いせいだろう。もし彼らが自分達の言うように"インターネットで成り上がる"と腹を決めたのであれば、曲の中で「俺達はインターネットから有名になった」という他にもっと何か表現することがあったはずだと思うのだけど……。この"The ONE...COHESIVE"だけでなくこれまでリリースされてきたアルバム/ミックステープの出来は全て申し分無く、時代の先端を行っているグループだけに、その波及力の無さがなんとも口惜しい。



□ 2010



Waka Flocka Flame
"Flockaveli"






Kanye West
"My Beautiful Dark Twisted Fantasy"






Wiz Khalifa
"Kush & OJ"






Lil B
"6 Kiss"






Young L
"L-E-N"






Stunnaman
"Legendary"






Tyler, the Creator
"Bastard"






Earl Sweatshirt
"Earl"






Mellowhype
"Blackendwhite"






Roach Gigz
"Roachy Balboa"






Starlito
"Renaissance Gangster"






Starlito
"Starlito's Way 3"






Big Boi
"Sir Lucious Left Foot: The Son of Chico Dusty"






Gunna Dee
"Hustler By Nature"






ECD
"Ten Years After"

Tuesday, November 23, 2010

Waka Flocka - Flockaveli & Kanye West - My Beautiful Dark Twisted Fantasy



あまりに退廃的で狂った世界をつくりあげるLex Lugerのビートと、荒削りという以上にその荒々しさがオーラとなって降りてきているWaka Flockaのラップ。そのコンビネーションは、"まったく中身がない"暴力賛歌をベースに進行しながら、どうしようもないゲットーで生きるどうしようもない若者がどんづまりで拳銃を振り上げなら行進する姿そのものを照らし出す。

アルバム中、「唯一テーマがある」と言われる"Fuck This Industry"ではWakaが銃撃に倒れて病院に運ばれたときにも一切関知しようとしなかった音楽産業を徹底的にこき下ろしているし、質も内容もいままでのミックステープとほとんど変わらない。そんなレーベル側からまったくコントロールを受けないままリリースされた『Flockaveli』には、 Wakaが溜め込んだフラストレーションだけがパッケージングされているので、ミックステープの持つ"猥雑さ"に魅力を感じるリスナーにとって、これほど生々しく心に響いてくる商業作品は他に見当たらないだろう。

しかし、メッセージ性の欠片もない『Flockaveli』に限らず、アンビエントから浜崎あゆみまでをジャックしてしまうLil BのBasedを聴いていても、ウィッチハウスとも微妙にシンクロするOdd Futureなどのローファイムーブメントを見ていても、もはや「ヒップホップとは何か?」という命題に取り組む姿勢には何の意味も無いように思えてしまう。ヒップホップの様式や美学に捕われている人間はいないんじゃないかと錯覚してしまうほど、若手のアーティストは皆が皆、DIYの精神を持って自由な解釈でヒップホップを作るようになった。

2年前の『808s And Heartbreak』はチープなサウンドと歌唱を軸に添えながら、ルサンチマンを溜め込んで自己の内面に没入していく、それまでのラップミュージックの枠組みから外れたとても先鋭的な作品だった。「内省的なイメージで売ろうとする黒人アーティストはポップフィールドではいなかった」という指摘も当時あったように、『808s And Heartbreak』はDrakeのような黒人ラッパーがナーヴァスな世界を展開しながらもヒットチャートにランクインする時代の先駆けとなった作品とも言えるし、それこそ、このチープな音と歌で彩られたイビツなヒップホップが自由な発想のもと作られるその後のヒップホップの形を大きく変えたのは明白だ。

Kanye Westの『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』は『808s And Heartbreak』の延長に位置するアーティスティックな作品で、製作に3億円かかったというスケールも含め全く引けを取らない。膨大な量のサンプリングと、元ネタを華やかに演出するオーケストラの迫力だけでも充分物凄いが、クラップ音だけのためにハンドクラップ奏者を4名も雇い入れ、RihannaやAlicia Keys、The-Dreamといった大物シンガー達にコーラスだけさせてゲストクレジットも残さないという起用には「無駄遣い」という言葉までよぎる人も多いだろう。しかも、そこまで金をかけて奏でられる音にはチープなコーティングや質の悪い低音がのっけられ、ひずんだ音像になるようにミックスされていて、インディペンデントミュージックの持つ"チープ感"とシンクロした現時代性までもを獲得している。ここで凄いのは、DIYでつくられるヒップホップとは真逆に、金と人材と手間をかけまくることでつくりあげた"チープなヒップホップ"が、インディペンデントミュージックの持つイビツさをより立体的に浮かび上がらせているところだ。

意図的であるにしろないにしろ、『808s And Heartbreak』が「ヒップホップとは何か?」という問いを突きつけたからこそ、いまの新たな表現――ポップフィールドで見かけるアーティスティックで内省的なヒップホップやインディペンデントシーンに広がるプリミティブなヒップホップ――が出来上がった。『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』はチープで90年回帰的な"いまのヒップホップの姿"を屈折させることで「ヒップホップとは何か?」を改めて問いかける。もはやヒップホップの様式や美学に捕われることはナンセンスに思えてしまうこんな時代でも「これからの時代のヒップホップはどうあるべきものなのか?」を考えさせ、さらに"次の時代の扉"を開こうとする Kanye Westのビジョンと貪欲さには感動を覚えずにいられない。

Sunday, September 12, 2010

Odd Future Wolf Gang Kill Them All

Photobucket

00年前後に支持を集めてムーブメントを起こしていたアンダーグラウンドヒップホップが03年ごろを境に失速し、廃れていってしまった原因は幾つも考えられる。アマチュアの増加に伴う粗雑な作品の乱立。方向性を見失ったプロダクションのマンネリ化。ファンコミュニティや通販サイトの閉鎖etc...

何より、メインストリームの"カウンター"であったはずのアンダーグランドヒップホップが、その意味を持ちえなくなってしまったことが失墜の最大の原因だろう。アーティストの意向よりも、金儲けが優先され、クリエイティビティを失った商業主義的なヒップホップに対するアンチテーゼ。それこそが、アンダーグラウンドヒップホップの最大のモチベーションで、最大の存在理由だったはずなのに、Jay-Zの"The Blueprint"あたりを皮切りにメインストリームヒップホップは矜持を取り戻し、アンダーグラウンドヒップホップはアマチュアの手垢にまみれた多くの駄作と一緒に沈んでいった。

思い返せば、アンダーグラウンドヒップホップの金字塔"Hip-Hop Music for the Advanced Listener EP"がリリースされたのが98年。当時、Anticonが「オルタナティブヒップホップのさきがけ」として注目を受けたのは、ポストロックに影響を受けたその独特な音楽性に拠るところが勿論大きいけども、"Anticon"というクルーそのものの特異さが引き金となっていたところも見逃せない。

東海岸、西海岸、中西部、カナダの各地方のヒップホップオタクがインターネットで繋がって97年に結成されたAnticonは、ポストロックやエレクトロニカを混ぜ合わせたり、ラップではなく鼻歌をビートにのせたりしながら、これまでにない斬新な発想のヒップホップを作り出していた。しかしながら、彼らが同時代の他のグループと比べてさらに変わっていたのは、その独特な音楽だけでなく、デザイン画や風景写真でつくられたジャケットや、Tシャツやキャップなどのファングッズ、広告/流通を含めて全て自分達の手でクリエイトしていたところだ。

「Independent As Fuck」という言葉はその数年前にCompany Flowが使っていたものだけど、DIYで音楽を作りながらヒップホップ概念を覆し進んでいくAnticonというクルーは、まさに商業の流通にのってパッケージ化されていくヒップホップに対するカウンターそのものだった。「ヒップホップとは何か? 本当のクリエイティビティは何か?」を問いかけていたAnticonの影響力はすさまじく、ナードラップと呼ばれる同じ音楽性を持つ作品がたくさんリリースされた。その後の失墜は先に書いたとおり。


話はここで少し変わるけども、以前にレビューでも取り上げたLil Bの影響を受けたアーティスト達が増えてきているらしい。たとえば、Tyler, the Creatorを中心として、Earl Sweatshirt、Domo Genesis、Hodgy Beatsといったラッパー/トラックメイカー~イラストレーターまでが集うOdd Future。Tumblrからいままでにリリースされたアルバムやミックステープをダウンロードできるが、彼らの音楽にはLil BやWaka Flockaなどの新進気鋭アーティストの影響だけでなく、MF DoomやNecroやAesop Rockに比較されることからもわかるように往年のアンダーグラウンドヒップホップと同種の雰囲気をまとっているところが大きな特徴だ。

それこそ、猟奇的なレイプを妄想してつくった曲や、世の中に対する不満を「FUCK」で埋め尽くす曲、自分を見捨てて去っていった父親に対する怨みをぶつける曲など、10代のラッパーならではのフラストレーションが噴出したラップが多く、描かれる"世界"の捉えどころのなさも00年アンダーグラウンドヒップホップに近いものがあるが、彼らはまだ10代のキッズであること、そして過去のヒップホップ知識をそれほど持っていないことを考えても、00年アンダーグラウンドから影響を受けたわけではないところが興味深い。あくまでOdd Futureは、"いまの時代のヒップホップ"をインターネットツールだけでなく、動画編集ソフトやアートツールを駆使しながらクリエイトしている。

Tyler, the Creatorは古臭い中年ラッパーをDISったりしているけども、実際、CD媒体や金をかけたPVや広告/流通とのコネクションなど既存の枠組みに捕らわれながら窮屈にヒップホップをつくっているアーティストや組織すべてに対する"カウンター"となっているのがOdd Futureというクルーだ。過去のヒップホップが持っていた"DIY精神"が、インターネットで手軽に広げられる流通やアートワークや映像の分野まで範囲を広げ、20代をこえたインテリやナードだけでなくストリートの子供にまで根を下ろすようになってきた。

いまの時代、キッズだけでも集まれば自由にヒップホップをクリエイトできる。いままで様々なアーティストが商業主義のヒップホップへ自主制作精神で対抗してきたが、Odd Futureの存在は"商業主義"だけでなく大人たちの作ってきたヒップホップ自体に問いを投げかけている。









西海岸ローファイ新世代

■ Tyler, the Creator "Bastard" : download
■ Earl Sweatshirt "Earl" : download
■ Domo Genesis "Rolling Papers" : download
■ Odd Future "Radical" : download

■ The NRK Compilation : download
■ Δ Vritra/Walter Flowers "The Story Of Marsha Lotus/Technicolour Pyramids" : download

■ Main Attrakionz "808s & Dark Grapes" : download

■ Issue "The E" : download

Monday, July 19, 2010

『日本語ラップ.com』管理者にインターネットから産まれる日本語ラップシーンについて訊いてみた

アーティストが自らの曲をリスナーに簡単に視聴してもらえるようにYouTubeやMySpaceを活用する。それだけではなく、誰でもすぐにiTunesに入れて楽しんでもらえるようにオンラインストレージサイトに作ったばかりの音楽ファイルやミックステープをアップロードする。他のアーティストがつくった"イケてる"曲をジャックして、新しい曲に作り変えて自分のスタイルをアピールする。そして、ジャックした曲のコンセプトにのっかってラップで遊ぶ。2010年に入り、インターネットをベースとしたムーブメントが少しずつ広がりを見せていますが、それはフリー音源やYouTubeリンクなどの情報をリアルタイムで発信する一部のTwitterアカウントやニュースサイトにアクセスできている人たちの間で"一般的"になっているものに過ぎず、「いまインターネット上で起きていること」を私たちに紹介してくれるメディアはほとんど存在しません。

今回の記事は、『日本語ラップ.com』の管理者であるBenzeezyさんに声をかけさせていただき、実現した対談形式のインタビュー記事です。日本語ラップの若手アーティストを中心に広がりを見せるこのムーブメントを追って、ホットな情報を届けてくれる数少ない貴重なニュースサイト/Twitterアカウントを更新されているBenzeezyさんがこの新しい時代の日本語ラップをどのように捉え、そこから産まれてくるものの未来をどう見据えているのか。インターネットから産まれるアーティストの才能やシーンに関する考察を交えてインタビューを取らせていただきました。

<日本語ラップ.com>
(HP)http://nihon5rap.com
(Twitter)http://twitter.com/benzeezy


――現在の日本語ラップシーンで、特に若手のアーティストの情報を得られる場というものがなかなかありません。それこそTwitterを見てみても若手アーティストの情報がほとんどない。SEEDA以降、ハスラーラップ以降の日本語ラップシーンのなかでもスキルや高いクリエイティビティをもったアーティストはたくさんでてきているはずなのに、そこに目を光らせて情報を発信しているメディアが皆無なのが現状なわけです。一番フックアップできていたのがSEEDAの『Concrete Greeen』という。そういった中で、Twitterを上手く活用しつつ、こういうポータルサイト(日本語ラップ.com)で若手アーティストの情報や楽曲をアップして、明確に若手フックアップに力を注いでいるメディアはとても貴重だと思い、声をかけさせてもらいました。そこでまず、Benzeezyさんが『日本語ラップ.com』を立ち上げることとなったきっかけを教えてもらいたいのですが。

Benzeezy:僕自身1997年頃まではUS、日本を問わず聴き漁る相当なヒップホップヘッズだったのですが、ビッグビート等の新しいと言われていた音楽に出会ってからは、日本のヒップホップから遠ざかっていました。2007年頃、人づてに聴いたSEEDAさんの『花と雨』で日本語ラップのレベルが向上していた事を体感し、再び日本語ラップに興味を持ちました。SEEDAさんやその周辺の方々をDIGして、過去作品はもちろん、シーンで「ドープ」と言われているアーティストも全てチェックしてましたね。また、当時良い意味でMySpaceがとんでもない事になっていたので、ドープなアーティストをひたすら探し回り、チェック(視聴)出来る作品はほぼ全て聴かせて頂きました。そしてそれ以降、僕のアンテナに引っ掛かるアーティストの作品がリリースされれば購入したり、試聴する事を繰り返していました。特に、シーンから音楽性もアティテュードも頭二つ程飛び抜けていたSEEDAさんの動向は気になりましたし、常に追い掛けていました。

――なるほど。USメインストリームを意識したラップのスタイルやビート、リアル志向のリリック、若手のフックアップなども含めてSEEDAが日本語ラップにもたらしたものは非常にたくさんあります。BenzeezyさんはSEEDAのどういった部分を注目していたのですか。

Benzeezy:2009年2月にSEEDAさんとOKI(GEEK)さんの『TERIYAKI BEEF』がSEEDAさんのブログ上で発表されましたが、これが特に面白かったですね。SEEDAさんが当時MySpaceに『TERIYAKI BEEF』映像をアップロードし、東京ブロンクスさんがYouTubeに同映像をアップロードされていました。過去、日本語ラップシーンでも幾つか"DIS"が存在していたのを認識していましたが、初めてエンターテイメントとして昇華出来たDISという感じで、ヘッズとして単純に面白かったです。SKY BEATZさんのビートをこのタイミングで持ってきたSEEDAさん、映像最後のSDPのDVDリリースPR映像を入れてくる東京ブロンクスさん。そういったセンスも含めて当時感じた事の無い、かなりフレッシュな印象を受けました。こんなフレッシュなシットをもっと世間に広めてみたいと思い、YouTube経由で東京ブロンクスさんにコンタクトをとって、同氏の許可を頂き僕のアカウントへ同映像をアップロードしました。同映像のアップロード後、僕は知り得る限りのネットプロモーション方法を利用し、結果的にSEEDAさんや東京ブロンクスさんがアップロードされた映像よりも僕のアップロード映像が世間には『TERIYAKI BEEF』のムービーとして認知されました。映像の視聴数も含めて。
 そして、それをきっかけとして、『TERIYAKI BEEF』関連の動きがあれば、そのムーブメントを”リーク”という形でYouTubeへ映像や音源をアップロード、PRしていました。SEEDAさんが出演したVERBALさん(TERIYAKI BOYZ)のポッドキャスト番組、同番組内での本人(VERBAL)の前でフリースタイル、同番組収録後のSEEDAさんのコメント映像、そしてフリーダウンロードの"no title"(後の"DEAR JAPAN")などですね。SEEDAさんのアップデートをひたすら追い掛けていました。

――DISといえば、2004年にDev LargeとK DUB SHINEのバトルがあって注目を受けていましたけども、SEEDAとTERIYAKI BOYZのバトルも同じように日本語ラップをあまり聴いていない人にも注目を受けたものですね。この2つのバトルは両方とも"インターネット発"で無料で聴けて、しかもビッグネームというところで色んな人に聴かれていました。ラップで喧嘩するというエンターテイメント性と手軽にコミットできる敷居の低さが、日本語ラップを世間に広めた。そういう意味でも、インターネットで音楽を発信するということの可能性をいち早く示していたものです。しかもSEEDAとTERIYAKI BOYZのバトルはBenzeezyさんが言うとおり、MySpaceやYouTubeやPodCastといったツールを駆使ししたエンターテイメントでしたからね。あたらしい時代の音楽の形が端的にあらわれているものだったという見方もできます。
 そしてこのビーフがあった時期は、SKY BEATZやSDPという名前も出てきましたが、SEEDAの『Concrete Greeen』を皮切りに新しいラッパーやトラックメイカーも次々と出てきた時期でもあります。当時、SEEDAのアップデートを待っていたと言いますが、そのアップデートをフォローするような立ち位置でいたということでしょうか? 当時もWEBZINEやブログなどを含めて色んなメディアがあったと思いますが、他のメディアとのスタンスをどう切り分けていたのかが気になります。

Benzeezy:SEEDAさんの『TERIYAKI BEEF』が『日本語ラップ.com』開設のトリガになったのは間違いありません。微熱さんの仰るように『MySpace~YouTube~Podcast』で情報が発信されている流れが新しく面白くて。ただ、この新しい流れを落としこむ受け皿が無いなと感じていたのもありますね。『日本語ラップ.com』をFeedリーダーに追加してくれているようなヘッズならわかると思いますが、僕は新しいものが好きで、"クラシック"よりも"フレッシュ"先行型なんです。
 日本語ラップから離れていた時分、Dev LargeさんとK-DUB SHINEさんのビーフは耳にしたのですが、それは僕にとって"フレッシュ"な印象を持ちませんでした。このビーフに半ば参戦したSEEDAさんのシットにもそれは感じなかったです。現在もそう思うのですが、関係メディアは情報の量、新鮮さ、そして「ドープさ」みたいなものの扱いには物凄くルーズだった気がします。振り返ってみれば、あのビーフはアーティストはエンタテインしていたのにメディアが追い付いていませんでしたね。完全にアーティストを殺していました。
 『日本語ラップ.com』と他メディアのスタンスの差異は物凄く明解で、『日本語ラップ.com』はひらすら情報をリリース、リークしていくというスタイル。「これドープだからチェックして下さい」という事をただただポストしていく。それも早い段階で。それと、あまり理解されていませんがコミュニティ型のサイトなので、実は誰でもサイトにはポスト出来る仕様です。その為、癒着も可能な限り減らした運営を目指しています。僕のアンテナに引っ掛からない「ドープでないもの」は掲載対象にはなりませんが。

――これはブログだとか、フリーペーパーだとか、金銭の取引や関係者の協力が無い小さなメディアに絞った話になるんですが、以前から「管理者自らの情報の更新には限界がある」ということを感じているんですね。理由はいたって明快で、自分のブログなり、サイトなりを運営していく原動力って"管理者のモチベーション"しかないんですよ。管理者がそのブログやサイトを更新していることに意義を見出して、モチベーションを維持していないと、運営をつづけていくことは難しい。まぁ、お金が発生していても、書き手のモチベーションが低ければ提灯記事ばかりになるとも思いますけどね。
 そこを踏まえると、サイトを継続的に運営していくのに大切なのは、やはり「情報の発信者と受信者が同じ立場にいる」ことだと思うんです。言い古された話かもしれないけども、wikipediaとかニコ動みたいな、発信者と受信者が相互で保管しあえる関係性をサイトの中で持てることが継続的に情報を発信しつづけるためのキーなんです。だから、『日本語ラップ.com』が情報を「誰でもポストできる」という仕組みを持っているのってすごく大事な点だと前から思っていて。
 ただ、だからこそBenzeezyさんの発言で、「"ドープでないもの"は掲載対象にはならない」というところがひっかかるんです。「このアーティスト(曲)が"ドープ"か、否か」という判断って、個人の趣味嗜好に基づくものじゃないですか? 私が"ドープ"だと思っていても、Benzeezyさんがそう思わないものもあるはずで。いままでのメディアも結局そういうフィルターをかけていたからこそ、新しい情報が出てこなくなってしまった面があると思うんです。勿論、ある程度フィルターをかけないと、有象無象の訳のわからない情報ばかりになってしまって、読者を混乱させるだけかもしれませんし、フィルターをかけることでそのサイトの信頼性が保たれる部分もあるので、そのバランスをどうやってとっていくかというのは大きな課題だと思うのです。「誰でもサイトに情報をアップできる」ということと、「ドープな情報しかアップさせない」という相反することをどうやってバランスを取ればいいのか。

Benzeezy:サイトの更新に関しては本当にそう思いますね。モチベーションが無いとまず更新を怠ります。そして、「日本語ラップ」を扱う場合、そもそも情報が少ないという現実もあります。USと比べるとアップデートされる情報量が物凄く少ないですよね。昨日は7件ポストできたけど、今日は1件しかポストするものがないとか。
 また、微熱さんの「情報の発信者と受信者が同じ立場にいる」という発言に付いてですが、情報発信者がそれをRAWな状態で提供出来るかなと思い、『日本語ラップ.com』を構築したというのもあります。ただ、情報発信者が自身でその情報をポストする事が容易ではないのかなとも感じています。情報発信者が『日本語ラップ.com』にログインして、自身の情報をポストするというのは、僕からしたら物凄くシンプルな作業だし、テキストをコピー&ペーストする程度で済みますから、とても簡易的だと思っていたのですが、現実どうもそうではないようで。
 僕は『日本語ラップ.com』の利用方法をイチからレクチャーするのはちょっと違うなと思ってるんです。システム自体も物凄く汎用的なものを利用していますし。現在、『日本語ラップ.com』に投稿者(ライター)として登録されている方は70名程いらっしゃいますがこの数はあくまでも登録しただけの数で、実際動いている数ではありません。本当に『日本語ラップ.com』を毎日支えているのは実質2名。それも僕を含んだ数です。もともとは『日本語ラップ.com』にユーザ登録した各人が日々情報をポストし、それを僕がフィルタリング(精査)するという運用スタイルを意図してつくっていました。この「フィルター」は確かに僕のただのエゴですから非常に独裁的であると思います。当初『日本語ラップ.com』は趣味の延長レベルだと思っていたのでこの点はそこまで気にしていませんでした。
 いまは、「フィルター」を介さないと本当に「ドープな情報」は、それ以外の「ワックな情報」に埋もれてしまうと思っています。情報自体が少ないからこそ、逆に「ワックな情報」が目立ってしまったりも有りますし。投稿者が増え、「誰でもサイトに情報をアップできる」本来の運用形態がとれた際、改めてこのフィルターに関しては議論する必要がありますね。

――アーティスト本人がツールをつかって世間に情報を発信していくというスタイルはブログやMySpace、Twitterなんかのおかげですごく一般的なものになってきています。ただ、それらのツールから発信される情報は、そのアーティストに興味があるリスナーにしか届きづらいというところが難点なんですよね。こういうポータルサイトに投稿することへの"敷居の高さ"ってやっぱり感じるものだと思いますけど、アーティストの立場で考えてみると、自分のブログやTwitter以外の場で、自分の曲を色んな人に知ってもらえる機会がつくれる貴重な場という見方はできるんじゃないでしょうか。実際、私もこの『日本語ラップ.com』やBenzeezyさんのツイートで知ったアーティストや曲もありますし。おそらくBenzeezyさんが言うようなやり方での理想的なかたちは、アーティストや関係者の方がポータルサイトにどんどん情報を投稿して、そこにドープなアーティストや曲が出てきたら特別に記事などを設けて更にリスナーを惹きつけるような仕組みなんでしょうね。

Benzeezy:本来は微熱さんの仰るように、各人が日々情報をポストして貰えると嬉しいんですけどね。例えばポストするのがアーティスト自身だったらたっぷりとアピール出来ると思いますしね。『日本語ラップ.com』でとりあげている情報は一部を除き、ほとんどがインターネットで手に入る情報です。ブログやMySpace、最近であればTwitter等の情報を日々DIGしてネタを集めています。

――へぇ。ということは普通に私達もインターネットで探せば手に入る動画や曲が中心だということですね。Benzeezyさんから発信されている情報は知名度のあるアーティストの情報もありますけど、結構若手中心というかあまり聞いたことの無いアーティストが多いですよね。

Benzeezy:そうですね、『日本語ラップ.com』が吐き出す情報は基本インターネットで探せると思います。ドープなアーティストに若い方が多くなってしまうのは、彼らは動きも頻繁なので必然ですよね。僕が思うドープなアーティストは大抵インターネットを多用していますから、そこにあるドープな情報をピックしているだけです。アーティストから直接情報を聞いたりという事も多少は有ります。中には音源を公開していないアーティストも居ますし、そうなると口コミ以外で情報は入りませんからね。ただ、情報の入手元は基本インターネットですよ。ドープなアーティストを見つけ、その情報をDIGする事で別のドープなアーティストに辿り着く。ドープな方々って結局繋がっていますからね。

――いま、「若い方のほうが動きがある」という話がありましたが、情報をDIGしていて、特に面白いと思うアーティストってどんな人がいますか? AKLOKLOOZはそれまでほとんど誰もやっていなかった「無料でミックステープアルバムを出す」ということをやっていて、そこは勿論面白いのですが、やはりUSヒップホップのビートをジャックしたり再解釈しながらラップしているところが今までの日本語ラップにはない面白さを生んでいると思うのですが。

Benzeezy:僕が面白いと思うアーティストさんは本当に沢山います。そして、その方々に共通しているのは「新しい事を実践している」点かなと。全員ではありませんが、微熱さんの仰るフリーミックステープ配信やフリーダウンロード等。これらをこなし、その先で何かのプロジェクトを持っているアーティストさんは本当に面白いですよ。
 名前を挙げると、AKLO、KLOOZ、MATCH、RICK(CRIXX)、U2K、PRIST、MoNDoH、show-k、FRG、YAMANE、BAN、ELOQ、EGO、RAKABEE、YAN-MARK、Mic、あるま、和み、B.T.REO、SKY BEATZ、ham-R、TND…といった人たちですかね。
 ビートジャッキン、そしてフリーダウンロード配信。ここまでは、メジャーとディールが無いアーティストであればもうやらない理由が無いと思うんです。ここまでスマートに自身を売り込めるフロウって何処にもないと思いますし。ただ、「最終的にヘッズの向こう側に届けることができるか?」という部分が重要だとは思いますけどね。

――ミックステープにかかわらず、無料DL曲の配布はあまり名前が知られていないアーティストが周囲に自分の存在をアピールするのにとても適していますよね。ビートジャックも、ラッパーにとってはとても手軽な方法ですし、低予算のなかでクオリティの高い曲をつくるとしたら不可欠な方法でしょう。この先にお金に結びつくのどうかは置いておいて、おっしゃるとおり「やらない理由が無い」と思います。Benzeezyさんが挙げられたアーティストは確かにどの人もオリジナルなセンスがや視点を持っていると思うのですが、「何かのプロジェクトを持っている」というのはどういうものを指しています?

Benzeezy:ただ作品をドロップするだけでは誰にも届きませんよね。フリーダウンロード音源の配信含め、その先に具体的なスキームを持って行動されているかが重要だと思うんです。その先のスキームというのは各人異なるとは思いますが、例えば正規作品のリリース。フリーダウンロード音源が正規作品を手にとるための足掛かりとなる、とか。あくまでも一例ですけどね。
 でも、何かの足掛かりになるからこそフリーダウンロード音源の配信は本当にドープな事をやっていないとダメですよね。誰もがやっていない事をやるべきだと思いますし、速度が本当に重要です。それが現在の流れだと思いますから。最近だとKLOOZさんの"Like A Game"一連のリミックスは新しさを感じました。速さで言ったらmikE maTidaさんの"Power Remix"とか。あのタイミングでのYAMANEさんのMIXTAPE"Drink It"も驚きましたけど。

――ここでいう「速さ」というのは、ムーブメントが起きたらすぐにのっかってレスポンスするようなスタンスですよね。このみんなが共有できる”リアルタイム感”は、インターネットが発達したいまの時代独特のものです。ただ、Benzeezyさんの言う「ドープさ」というところをもう少し聞いてみたいのですが、センスみたいなものでしょうか。

Benzeezy:僕が惹かれるアーティストの「共通の何か」という事に関して、実は僕自身も疑問だったんです。ある時、あるアーティストに直接尋ねてみたんです。「ドープなアーティストをDIGしていると結局あなた方に行き着く」みたいな事を。そのアーティストの回答では「共通の何か」を僕はわかりかねたのですが、一つわかった事は、僕がドープだと思っているアーティストは自身で相当情報をDIGしているという事です。
 そして彼ら自身のDIGがドープなアーティストさん同士を繋げている。例えばMySpaceでドープなアーティストをDIGしたらフックアップしたり。ネットワークというテクノロジーを有効活用しています。また、彼らが素晴らしいのは「コア」で終わろうとしていない所なんですよね。屈折して「コア」に進むのではなく、様々なものを巻き込んで大きい動き、ムーブメントを造ろうとしている。それは彼らを知らない人さえも巻き込む力を持っていると思います。

――非常に興味深い指摘だと思います。
 確かに貪欲に他人のスタイルやトレンドを吸収して作品に"SWAG"として落としこめているアーティストがさっき挙げられた中にも多い。それはつまりどういうことかというと、彼らに「DIGの姿勢」があるということだし、「色んな人と楽しめる"トレンド"としてのヒップホップ」をつくっている姿勢にもあわらわれている。
 中でも私がとても参考になったのは、「自身のDIGがドープなアーティスト同士を繋げている」という部分です。インターネットはパソコンのディスプレイの中に広がっているものだから、「”現場”はインターネットにはない」というような意見を持ち出して、そこで育まれるシーンや人の成長を否定する人もいたけど、その意見は説得力の欠けるものでした。なぜならインターネットそのものは単なるツールに過ぎないし、そこでの"繋がり"や"発見"は人間によって実現されるものなのだから。
 そういうネットによって広がるシーンの可能性やアーティストの繋がりを否定する意見は特に4~5年くらい前まで、いま30歳を超えるような人たちから発せられることがありましたけど、ここ1年くらいはそういうものもあまり見なくなってきましたね。逆に、若い子を中心にインターネットにある様々な"ツール"を利用して、自分のネットワークを発展させながら、他人と繋がって、その影響を自分のスタイルに取り込んでいくアーティストが増えてきたと思います。これは、世代間の「インターネットに対する見方の違い」なのかもしれません。

Benzeezy:非常に現場主義というか、RAWな物をRAWな状態で聴くのがヒップホップだと僕は思っていますが、これだけネットワークが成長し多様化してしまうとそれにも変化が生じて、クラブへ足を運ばずともRAWなものに接することが出来る訳で。アーティストが自身のPCから発信する音源が、その時点で最もRAWで、フレッシュであり、リスナーはそれを直ぐに体感出来てしまう。そうすると「現場感」みたいなものは外にも中にも無いボーダレスな感覚になってきたような気がするんですね。
 そして、ネットワークを「ただのツール」として切り分けられるかどうかは、物凄く重要な感覚だと思います。Twitterやmixi、Facebook等の所謂バーチャルなツールでも、それこそ現場と同じように「しがらみ」がある訳で、アーティストたちは本音を吐露する場が無いのではないかと思います。これではネットワーク、インターネットの可能性を物凄く狭めていると思いますし、それはやはりただのプロモーションツールでしかない。だから僕が一番好きなツールはMySpaceなんですね。馴れ合いのない不親切でドライな感じが好きなんです。ドープなアーティストは「繋がっている」という感覚が。
 また、微熱さんの仰る"世代間の「インターネットに対する見方の違い」"は僕も感じています。これは所謂「SWAG」の解釈の違いだと思っているんですよね。僕たちヘッズはアーティストが「今日何を食べた」かには全く興味は無い訳で。それはドープではない。ただ、ある世代は自身を魅せる事を推しますよね。でも、それは「SWAG」とは思えないんです。あくまでも「ライフスタイル」でしかないと言うか。僕等貪欲なヘッズが求めているのは最新のドープなSWAGなんです。若いアーティストはこれを無意識に理解しています。僕はあるアーティストに「ヒップホップを意識して制作している訳ではない」と言われたことがありますが、その時に改めてSWAGが何たるかを理解した気がします。

――ファッションやスタイルのトレンドを自分なりに解釈して、自分独自のスタイルに作り上げたものが"SWAG"と呼ばれるものだと思います。そうするとやはりそのSWAGが流動的に次々と進化していくには、最新の情報がどんどん生まれてくるインフラが必要で、現在はインターネットがその役割を担っているということだと思います。インターネットのなかにも色々なツールが生まれて、いままでになく"情報を生み出す場"として機能しているから、USのアーティストも勿論そうですけど、日本のアーティストのSWAGもすごい速さで進化しはじめている印象を持っています。

Benzeezy:そうですね、インターネットの存在がSWAGの提唱を後押ししたでしょうし、現在SWAGをうたうのならば不可欠なインフラだとは思います。しかしUSに比べ、日本のSWAGの進化というかスピードは物凄くゆるやかなので、家から外出する事を躊躇う位のドープな情報とスピード感が欲しいですね。ただ、それこそインフラが整備されたお陰で外でもドープな情報を入手出来てしまいますから更にスピード感は必要になりましたけどね。
 一連の"Like A Game"リミックスに関しては、もうヒップホップという枠組みなんかは超えてしまって、ただどれだけ面白い事を吐き出せるかを競い合っていますよね。僕がKLOOZさんやAKLOさんを「新しい」と思えるのは、この小さな枠に固執していないからなんです。自身がドープ、フレッシュだと思えるものをスピード感を持ってこちら側へひたすら提供していく。彼らの根源にはもちろん「ヒップホップ」があるのでしょうけれど、それをヒップホップと特に意識しているとも思えない。それが受け手からしたらたまらなく面白いし、僕なんかはドープだと思うんですよね。

<a href="http://klooz.bandcamp.com/track/like-a-game-ft-aklo-ban">Like a GAME ft.Aklo Ban by klooz</a>

――知らない人のために説明すると、"Like A Game"はKLOOZが今年ドロップしたミックステープ『No Gravity』のなかにある曲で、Scarfaceの"High Powered"のビートを下敷きに自分のラップスタイルを物に例えて、「自分のラップはまるで○○○のようにイカしている(ドープだ)」とセルフボーストするラップ・ゲームです。
 Scarfaceのビートを引っ張ってくるセンスも渋いのですが、"ラップでゲームしながらそれを曲にしてしまう"というコンセプトがなによりも新しかった。その新しさは、「ルールは簡単だから、みんな挑戦してくれ!!」とKLOOZが自分のブログでも言っているように、「自分の曲をパクるな」というような排他的なものではなく、「自分がつくったこのゲームに参加してくれ」とアピールするスタンスにもあらわれています。
 昨今のリミックスブームの流れも手伝って、"どれだけ面白い事を吐き出せるか"というこのゲームに参加したアーティストもたくさんでてきました。同じサイコロ一家のPRISTとsinsi-Tや、さっき名前もあがっていたCRIXXのRICK、MatchRioR、MorrowGASFACE、JBKs.da SquadCHIKATETSU…。「どれだけ面白い事を吐き出せるか」を競いあうこのゲームは、それぞれのラッパーの持ち味を引き出すこともできたものだと思います。
 しかし、やはり私が最も注目している点は「自分のつくった曲を皆に使ってもらう」というスタンスなんです。これは、いまのお金にならないフリーダウンロード曲ならではのもので、自分の曲をいろいろな人に使ってもらって広めてもらうことで自分の名前を広めてプロップスも上げていくという。今回の"Like A Game"でもなんだかんだで一番名前が広まって、プロップスが上がったのもこのゲームを作ったKLOOZとAKLOですよね。ここがとても重要なポイントだと思うんです。

Benzeezy:僕が「ドープだ」と思う方々って本当に動きが速くて、KLOOZさんの"NO GRAVITY"がリリースされた時も直ぐにMATCHさんがtwitter上で「Like A Gameやりたい」と反応して実際にREC、作品をドロップ。と、一連の流れがとにかく速い。mikE maTidaさんのKanye West "Power"リミックスにいたっては、USでリークされたばかりの段階でのビートジャッキンだった訳で、速さで言うなら世界最速だったのではないでしょうか。インストリーク前だったので、サンプリングビートをチョップした状態でのリミックスでしたが、そのスピード感はやはり凄かったし、ヘッズなら誰もが驚いたと思います。僕のYouTubeアカウントでアップロード公開させて頂いた音源だったのですが、mikE maTidaさんの「スピード感」を無くさない為、同氏からの依頼から公開までを数時間でおさめました。


mikE maTida "Power remix"

 こういう動きって本当の意味で生活にラップが浸透しているからできることだと思うんです。もちろん、KLOOZさんが"Like A Game"参加を呼び掛けた時反応したMCやmikE maTidaさんだけが素晴らしいとは思わないけれど、間違い無く「新しい感覚」を持っている方々だとは思います。また、"Like A Game"では、オリジネイターであるAKLOさんやKLOOZさんと比較して聴く形になりますから、どうしたって彼らのプロップスが上がるのは間違い無いですね。

――そうですね。他人がドロップした曲にすぐ反応してそこに乗っかって自分の存在をアピールできる人じゃないとインターネット上ではプロップスを集めにくいかもしれない。

Benzeezy:少し前までは”USのヒップホップを昇華できたものが優れた日本語ラップだ”と言う見方だったと思いますが、現在の僕の日本語ラップに対する解釈は違います。もちろんUSのヒップホップは素晴らしいし、現在の日本語ラップがその影響下あるのは間違い無い訳ですが。
 現在の日本語ラップは、ある部分でUSより飛び抜けたドープネスを持っていると感じます。速度感もあります。それを証明するのは各々が持つ所謂「SWAG」であると思っていますが。

――Benzeezyさんは現在のUSのヒップホップと日本語ラップに対する解釈は違うとおっしゃってますが、私はまた違う考えを持っています。というのも、USヒップホップと日本語ラップの自国での受け入れられ方や流通のされ方は全然違いますが、やはりインターネットを基盤にした音楽の広がり方というのは似たような道筋をたどっているように見えるからです。
 アメリカの場合は、ブッシュ政権から長引く不況の影響もあって、商業ベースでつくられるヒップホップの姿がここ数年で大きく変わりました。"世間で売れる"限られたアーティストだけがメジャーレーベルのコントロール下でセルアウトした曲をつくって数少ないリスナーのパイを食い合っているような状況です。そこから外れてしまった多くのアーティスト達は自分の曲に金をかけてくれるレーベルもなく、作品をリリースすることもできなくなった。しかし、そういう商流からあぶれたアーティストを支え、彼らの曲をリスナーに届けるインフラとなったのがインターネットです。日本の場合は、アメリカほどヒップホップが世間に浸透しているわけではありませんが、マスに対して簡単に作品を流通させることができない状況はほとんど一緒です。そして、多くのアーティストが数少ないリスナーからプロップスを集めていかなければならない。その受け皿が今後何になるのかは明白でしょう。
 "POWER"をリミックスしたmikE maTidaやHIGH 5、"I Can Transform Ya"をリミックスしたMINT、最近だとKLOOZとAKLOが"I REP"をリミックスしていましたし、CherryBrown(Lil'諭吉)がRick Rossの"Blowin Money Fast"をジャックしていました。他にもCherryBrownやMINTを筆頭にミックステープアルバムをネット上にドロップしていたアーティストもたくさんいましたが、こういうインターネットが受け皿となって生まれているものがある以上、それをフォローできていないメディアは「必要ない」とまでは言わないけども、現在のシーンやムーブメントをフォローできてはいない「遅れたメディア」です。


Klooz x Aklo "I Rep the remix"


Cherry Brown "BMF [Bombing Music Fast]"

Benzeezy:「遅れたメディア」というのは僕もそう思いますよ。もちろんピック出来ないしがらみ、いわゆる大人の事情があるのは承知していますけど、AKLOさん、Cherry Brownさん含め物凄いスルーですからね。KLOOZさん、AKLOさん、BANさんがYouTube上で発表した"Butterfly City Remix"の再生回数、一晩でたった200回ですよ。僕にはメディアにもアーティストにも「ドープなものはフォローしてもらいたい」。素直にドープだと思うんですよ、"Butterfly City Remix"の楽曲もコンセプトも。しがらみ、私怨は置いてフォローして欲しい。それだけなんですよね。だから、こういった状況を見てしまうと本当にhaterは身近に居るとしか思えないです。それはヘッズも重々感じているはず。
 そして微熱さんも挙げた、"I REP THE REMIX"。これは楽曲ももちろん素晴らしいですけど、ヘッズがTwitterを中心に注目させました。メディアが遅れる現在はこれが現在の新しい動きなのだと思います。結局この「"I REP THE REMIX"で誰がプロップスを上げたのか」って事ですよね。僕は自身のFeed Readerだけを信じていますからね。そこで得るドープな情報のアウトプットとして『日本語ラップ.com』のようなサイトを運営して、ヘッズに情報をエスカレーションしています。今後は「ドープな情報を各々で収集して皆で共有する。」そういった形式が主流になって行くと思います。


Aklo, Ban, Klooz "Butterfly City"

――"Butterfly City Remix"が出た頃は、まだKLOOZやBANの知名度がそこまで高まっていませんでしたからね。"I REP THE REMIX"がたった2時間で1000回もダウンロードされたことを考えると、彼らを取り巻く状況が少しずつ変わってきているんじゃないでしょうか。仮に、新世代のアーティスト達に対するhaterがいたとして、その人たちがYouTubeの再生回数をコントロールできるわけではありませんから、私にはもともと興味が無かった人たちが新世代のアーティスト達を徐々に注目しはじめてきたように見えます。寧ろ彼らの「自由参加型」のスタイルが少なからずいたかもしれないhaterをも取り込んだという見方のほうがポジティブで、彼らのスタンスにもあっている気がします。
 しかしBenzeezyさんと話をしていて痛感するのは、Twitterや『日本語ラップ.com』のように絶えず情報をキャッチして、読者に速い情報を伝えることのできるメディアの需要こそが高まっていくのだろうなということです。自分もレビューブログをやっていますが、日々流れてくる数多くのフレッシュな情報を汲み取ることはできていない。そういう勢いをありのままに伝えることのできるメディアこそがアーティストやリスナーにエネルギーを与え、これからのシーンを支えていくのだと思います。私達が気になる情報のリンク先には、実際の音楽や動画が流れ、アーティストの生の声があって、いつだってそこへ簡単にアクセスすることができるのですから、時間をかけて文章を書いてそれをメディアにのっけて他人の目が留まるのを待つなんていうまどろっこしいことをする必要性をあまり感じなかったりします。

Benzeezy:メディアの話だけでなく、「日本語ラップ」という括りで言ってしまうと現状のままでは未来は無いと思います。もちろん「日本語ラップ」そのものが無くなることは無いでしょうが、ますますアングラなものになってしまうのかなと思っています。何故なら、このドープな物を伝え広めるメディアが無いし、そして「日本語ラップ」に誰もpayしていないから。
 良くも悪くもフリーダウンロード配信が常識化した現在、payする事って物凄くエネルギーが必要ですよね。ドープな物はインターネットに沢山転がっていますから。それを考えると、楽曲をひたすら制作してリリースしていくという従来のスタイルは今後無くなると思います。そして今までに無いスキームを持ったアーティストだけが生き残って行くのではないかなと。知名度やリリース量がキャッシュに繋がらない時代になると思いますよ。

――インターネットから発信されるヒップホップの姿を突き詰めていくと、結局はアーティストのモチベーションとなる"プロップス"と"金"がどこから産まれてくるのか?というところに行き着くんでしょうけど、CDが売れなくなってレコード屋が閉店し、雑誌が売れなくなってメディアの在り方も変わってきている中で、いままでの音楽やシーンがそのままの姿でありつづけるなんてことは絶対にあり得ない。
 言ってしまえば、金から切り離されて、メディアからも切り離されながら、フォーマットだけを継承して生まれてくる現在の日本語ラップと数年前の日本語ラップは成り立ちから、リスナーへの広がり方まで全く別物ですからね。そこにはっきりと線をひくことができる。いままでの日本語ラップが退屈だと思っていた人こそ、現在の日本語ラップを楽しめるかもしれません。

Benzeezy:今までの日本語ラップはCDセールスというわかりやすい指標があったわけです。しかし微熱さんの仰るようにCDも売れなくなる、そしてCDを売っているショップさえも次々と減っていく。そんな中、アーティストはどこにモチベーションを求めるのかといえばそれはインターネット上の情報でしかないと思うんです。だから僕は微熱さんのブログのようにレビューするメディアはアーティストにとって大歓迎だと思いますよ。オフラインに評価してくれるメディアがない今、アーティストは評価される事に飢えていると思うんです。現状のままだと彼らがプロップス体感出来るのはネットワーク上のバイナリファイルの流通だけで、それは余りにもバーチャルなもの。人間(ライター)が分析、判断した言葉はアーティストにとって非常に響くと思っています。

――今回の対談インタビューでの私の一番の収穫は、インターネットから産まれる音楽シーンには"速度"や"スタイル(SWAG)"の他に、"人の繋がり"がかなり重要な意味を持つということに気づいたことです。インターネットから産まれる音楽シーンって何も日本語ラップに限った話ではありません。それこそアメリカの地方から産まれるラップのトレンドだってそうだし、UKのGRIMEだってインターネットが支えている面があります。ただ、インターネットを中心とした活動は、簡単に金を得ることができないのは確かです。しかし、それでも彼らは活動を起こし、まがりなりにも"シーン"と呼べるものをつくっている。それはもしかしたら、自分のつくる音楽をブラッシュアップできる仲間との繋がりだったり、自分の曲をジャックして遊んでくれるライバルMCやそれを受け取って広めてくれるリスナーとの繋がりが支えているのかもしれません。勿論、いま自分のやっていることの"先"を見出すことができなければ、活動を続けていくのは相当に厳しいことだと思いますが。
 そしてこれは、アーティストの活動だけではなくて、彼らの活動を支える位置にいる『日本語ラップ.com』のような情報発信サイトや情報を発信するリスナーのTwitterやブログにも同じことが言えるでしょうね。アーティストからギフトを受け取って、それを皆に広げることでアーティストにフィードバックしていく。インターネットの片隅の片隅から芽生えるシーンを育てていくためにも、"速度"・"スタイル(SWAG)"・"人の繋がり"の3つにフォーカスを当てて、発信することのできるメディアは必要だと思います。

Benzeezy:僕は日本語ラップシーンの中で何かが出来るなんて事は思ってもいませんし、思ったこともありません。ただ現在は数年前の「日本語ラップ」シーンのようにお金を掛けてプロモーションし、ムーブメントをおこすという時代ではない事は理解しています。だから僕は本当に優れたアーティストを僕が提供出来る限りのインフラに乗せて世の中に紹介し、そのアーティストを一人でも多くの人間に知って欲しいという思いで『日本語ラップ.com』を運営してます。この新しい時代の日本語ラップにブームが来ている事は皆さん感じていると思うんです。ただ、もう今までの事をそのままエスカレーションしても何とかなる時代ではない。インターネットという優れたインフラに乗せ、それを有効活用し最終的にはヒップホップ、日本語ラップでお金を得る。そのお手伝いが出来れば僕はそれで満足です。日本語ラップが大好きですからね。


関連ダウンロード

■ Aklo, DJ Uway "A Day on the Way" : download
■ Aklo "2.0" : download
■ Cherry Brown "Supa Hypa Ultra Fres$shhh 3" : download
■ Cherry Brown "98%ちぇりー" : download
■ Klooz "No Gravity" : download
■ Mint "sex, lies, and download file vol.1" : download
■ Yamane "Drink It" : download