Sunday, April 23, 2006

The Streets - The Hardest Way To Make An Easy Living






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全世界で200万枚を売り上げたらしいUKガラージ界のEminemことMike Skinnerの最新作は平坦かつ密閉された空間に新境地を切り開くかのようにカラフルなヒップホップテイストをちりばめた文字通りの「意欲作」。しか し、その味付けには、ヒップホップ風味をまぶすことでジコマン音楽世界をできるだけみんなの口に合うようにする、というような優しい心遣いは一切無く、まるで音楽でしか金儲けをできない運命を呪っているかのように自嘲的でヤケクソな悪意が満ち満ちている。

「普通はそう使わないだろう」という使用方法と分量であらゆるスパイスを平然と鍋にぶちこみ、「新境地の開拓」どころか彼の平坦かつ密閉された空間はその狂気と完成度をさらに上げた。一瞬 「もしや前作より売れ線狙いになったか?」と思わせておいて、聴き手の体力と気力の全てを吸い尽くそうとしているかのようなアルバムの構成はまさに罠。音とラップと歌、どれを取っても隙がない悪夢の三重奏。「ヘタウマ」などというなま易しい領域ははるか水平線の彼方に消えた。

きっと彼のファンには、「ヒップホップはボンクラの音楽だ」と信じて疑わない人が大勢いると思うが、そんな人たちにもここから先は危険区域だろう。成功してお金を 稼いでファンからあがめられても、リスナー達の目の前のハードルを上げて喜ぶMike SkinnerはドS、そしてこれだけ悪意に満ちた作品でも喜んでしゃぶりはじめるリスナーはきっとドM。ここに需要と供給のバランスが成り立った時、真のボンクラ変態シーンが確立される。

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